物質表面に小さな粒子を激しく衝突させ表面に凹凸をつける、又は磨くという目的の「ブラスト加工(サンドブラスト、ショットブラスト)」は古くからある知られた技術です。

その起源は、米国の南西大草原において砂嵐で飛ばされた砂が建物の窓ガラスの艶を消し、あるいは霜で覆ったようにしてしまうので、その防護の為に金網を取り付けたところ、金網の鉄線の完全な輪郭が、窓ガラスの上に残された現象に着目したことから始まりました。
この現象が元となり、砂吹き機械の最初の特許が1870年にフィラデルフィアのB.C.チルマン(B.C.Tilghman)氏によって得られました。続いて船舶の錆取り、ふじつぼ取り用に金剛砂を噴射する装置が考案されました。
ただ、このブラスト技術では表面凹凸の形状が不均一で利用方法に限りがありました。サンドブラストやショットブラストの弱点を克服し、表面凹凸形状を均一にコントロールしたのがファインブラスト加工です。
ファインブラスト加工の効果
凹凸効果
防眩効果【図1】
製品表面の光沢度・面粗さ等を定量的に管理し表面からの反射光を調整する機能です。

定量供給効果
管理された凹凸面により粉粒体の均一なすくいと散布を行ないます。
油保持効果【図2】
精密な凹凸面の凹部に一定の油を蓄えることが出来るため、OA機器等精密機械の摺動部の給油効果持続に用いられています。

表面積の拡大【図3-4】
付加価値の高い精密部品の印刷・塗装等の密着性の向上に寄与します。放熱性の向上にも効果を発揮します。


摩擦抵抗力の付与
凹凸形状の管理で滑り止めやグリップ力の向上、その逆にすべり性の付与もコントロールできます。
研磨効果
基材に極力キズをつけたくない
ソフトな研磨処理につき寸法がくるわずキズも付きにくい。
金型に付着した材料がなかなか取れない
ファインブラスト【FB】なら金型をキズを付けず、減らさずきれいに取れます。
樹脂成形時に発生するウエルドライン・成形キズ・シボムラ等の救済。
ショット効果
ショット効果
鉄・ステンレス・チタン等へ粒子を衝突させることにより、硬度、強度、弾性の増加が 期待できる加工です。
ファインブラスト加工の活用事例
加飾、美観の向上加工事例
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某大手筆記具メーカーの万年筆ボディーに採用
透明樹脂にファインブラスト加工を施すことで加飾と美観の向上効果が得られました。ファッション性も高い製品になっています。
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PMMAパネルに採用
凹凸面のコントロールにより半光沢・艶消しの外観を生み高級感溢れるファッション性の高い製品に。また、塗装印刷を施してある製品にキズや剥がれ等の悪影響を及ぼさずに直接加工することもできます。
防眩効果加工事例
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LEDに採用
製品表面の光沢度・面粗さ等を定量的に管理し、表面からの反射光を調整する防眩効果加工を施すことで、ほどよい光の広がりを実現しました。
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アクリルロッドに採用
LED照明の加工事例です。アクリル表面の粗さの強弱で明るさが変わります。この事例ではお客様のご要望の明るさ、光の広がり具合になるよう表面の凹凸を調整しました。
凸凹効果加工事例
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複写機現像ローラー用アルミスリーブに採用
ファインブラストの凹凸効果加工をローラーに施すことで、PPCトナーの定量供給に効果を発揮します。
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水銀灯に採用
付加価値の高い精密部品の印刷・塗装などの密着性向上に。放熱性の向上にも効果を発揮します。
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SUSサンプル板に採用
ファインブラストの凹凸は、基材表面の美観の向上とともに指紋が目立たなくなる効果も得られます。
研磨効果加工事例
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パソコン用ハードディスククランプに採用
ソフトな研磨処理により、寸法が狂わずキズも付きにくい。金型に付着した金属材料も、キズを付けずにきれいに取れます。また、薄肉品のバリも、変形させずきれいに除去できます。
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携帯電話の筐体に採用
樹脂成形時に発生するウエルドラインや成型キズ、シボムラ等をきれいに除去し歩留まりの向上が期待できます
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液晶表示体の枠に採用
樹脂成形時に発生するウエルドラインや成型キズ、シボムラ等をきれいに除去し、歩留まりの向上が期待できます。
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自動改札機の券投入口筐体に採用
樹脂成形時に発生するウエルドラインや成型キズ、シボムラ等をきれいに除去し、歩留まりの向上が期待できます。
ショット効果加工事例
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ギヤーに採用
鉄・ステンレス・チタン等へ粒子を衝突させることにより、硬度・強度・弾性の増加が期待できます。
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